臨床試験

細胞治療臨床試験 
  T細胞受容体遺伝子導入リンパ球輸注療法(TCR遺伝子治療)

MAGE-A4抗原陽性のがん細胞のみを破壊することができるキラーT細胞のMAGE-A4抗原を認識する部分(T細胞受容体)の遺伝子をがん患者さんから採取したリンパ球に体外で導入し、増幅したあとに再び患者さんの血液に戻す治療法です。(下図参照)

対象疾患は食道がんで、腫瘍にMAGE-A4抗原を有しておりHLA-A2402陽性の患者さんです。
本遺伝子治療臨床試験は、日本初のT細胞受容体遺伝子治療です。

この試験は、タカラバイオ(株)との共同研究で行っています。

MAGE-A4-TCR.png

参加適格基準 《 参加できる人、参加できない人 》

この臨床試験に参加できるのは以下のすべての条件を満たす患者さまです。

  1. 病理組織学的に食道癌と確定診断された方。
  2. 根治切除不可能で、かつ標準的な治療法(化学療法、放射線療法等)抵抗性となった臨床病期Ⅲ期またはⅣ期の食道癌の方、又は、術後あるいは初回放射線化学療法後に再発転移をきたし、治療抵抗性となった食道癌の方。
  3. HLA(白血球の型)がA2402の方。
  4. 腫瘍組織にMAGE-A4抗原の発現が確認されている方。(あなたの腫瘍組織で調べる必要があります)
  5. 画像診断等による臨床効果判定に必要とされる、測定可能な腫瘍病変を持っている方。
  6. PS(Performance Status:全身一般状態)がグレード0、1の方(付表参照)
  7. 本臨床研究に参加時点の年齢が20歳以上75歳以下の方。
  8. 細胞摂取時に前治療(手術、化学療法、放射線療法)終了から4週間以上の経過が見込まれる方。
  9. 同意取得後、4ヶ月以上の生命予後が期待できる方。
  10. 主要臓器(骨髄、心、肺、肝、腎等)に高度な障害がなく、臨床検査が以下の基準を満たす方。
    ・白血球数・・・・・・・・・ 3,000 /mm3以上
    ・好中球数・・・・・・・・・ 1,500 /mm3以上
    ・ヘモグロビン・・・・・・・・・  8.0 g/dl以上
    ・血小板数・・・・・・・・ 100,000 /mm3以上
    ・総ビリルビン(T-Bil)・・・・・  2.0 mg/dl以下
    ・AST(GOT),ALT(GPT)・・・・・150 IU/dl以下
    ・クレアチニン(Cr)・・・・・・・2.0 mg/dl以下
  11. ご本人の同意を文書で得ることのできる方。

 

この臨床試験に参加できないのは以下のいずれかの条件に該当する患者さまです。

  1. 以下の重篤な合併症のある方。
    ・不安定狭心症、心筋梗塞又は心不全
    ・コントロール不能な糖尿病又は高血圧症
    ・活動性の感染症
    ・胸部X線検査による明らかな間質性肺炎又は肺線維症
    ・自己免疫疾患
    ・出血傾向(プロトロンビン時間(PT) < 50%、活性化トロンボプラスチン時間(APTT)    
       > 60 秒、フィブリノゲン(Fbg) < 100 mg/dl、フィブリン分解産物(FDP)>20 μg/mL)
    ・血栓形成傾向
  2. 重篤な過敏症の既往歴のある方。 = 薬などで重いアレルギー反応を起こしたことのある方。
  3. HBs(B型肝炎ウイルス)抗原、HCV(C型肝炎ウイルス)抗体、HIV(エイズウイルス)抗体、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス)抗体のいずれかが陽性である方。
  4. コントロール不能な胸水・腹水・心嚢水のある方。
  5. 制御困難な脳内転移のある方。
  6. 副腎皮質ステロイド剤又は免疫抑制剤を全身投与中の方。
  7. MAGE-A4ペプチドの投与に適さない方。(例えばMAGE-A4ペプチドの成分であるアジュバントに対して過敏症の既往歴のある方)
  8. 本臨床研究参加への同意に影響を及ぼすような精神疾患、薬物依存症等の疾患を有する方。
  9. 妊娠中、授乳中、妊娠している可能性のある女性又は妊娠を希望している女性の方。又は挙子希望の男性の方。(ただし、遺伝子治療前に精子を凍結保存し、その精子を用いて子供をもうける場合はこの限りではありません)
  10. 登録前4ヶ月以内に他の臨床試験(臨床研究)に参加している方。

付表:
PS(Performance Status) [ECOG(Eastern Cooperative Oncology Group)基準]

グレード Performance Status

無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同様にふるまえる。

軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが歩行、軽労働、座業はできる。例えば軽い家事、事務など。

歩行や身の回りのことはできるが、時に少し介助がいることもある。軽労働はできないが、日中の50%以上は起居している。

身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。

身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。