2.がんワクチンとは
がん細胞だけに発現されている目印である”がん抗原”を人工合成するなどして、薬剤として投与されるものが”がんワクチン”です。
がんワクチンは、インフルエンザウイルスの予防ワクチンなどの原理と同様に、投与した物質を見分けて攻撃する免疫システムが体内で働く原理を利用して、がんから身体を守ることが期待されます。
2.1 がんワクチンの特徴
- 皮下注射や皮内注射で行えることが多く、投与が比較的簡便です。
- これまでに試みられたがんワクチンの臨床研究では、副作用が比較的少ないことが示されています。
- そのため、入院が不要で、外来で投与できるものが多くあります。
- がんワクチンの効果を得るためには、患者さんのがん細胞に、投与するがんワクチンと同じがん抗原が存在することが必要です。
- 多くの場合、数週間の間隔で、繰り返し注射することが必要です。
2.2 がんワクチンの種類
がんワクチンにはペプチドワクチン、蛋白ワクチンなどいくつかの種類があります。
三重大学では主に、がん抗原となる蛋白質をワクチンとして投与する蛋白ワクチンを試みています(※)。
ペプチドワクチンの場合には、それぞれのペプチドにより、効果が期待できる患者さんの白血球の型(HLAといいます)が決まっているため、HLAが適合しているかをあらかじめ検査する必要があります。
一方、蛋白ワクチンでは、HLAの型の制限はありません(どのHLAでも適合します)。また、蛋白ワクチンでは、キラーリンパ球やヘルパーリンパ球など、いろいろな種類のリンパ球を活性化することが期待されています。
HLAの型は、血液型(A,B,O,AB型という)とは別の分類で、特別な血液検査により、自分のHLAの型を知ることができます。
(※)CHP-MAGE-A4ワクチンとCHP-NY-ESO-1ワクチンの臨床試験があります。詳細は別の説明書に記載されています(「6.最後に」をご参照ください)。
